できない

 お仕事がてきぱきできません。理由は簡単。僕のやり方は時間がかかるのです。お世話になった先輩方や利用者さんから学んだ事がそれだったからです。




食事・・・・・介助で入って、例えどんなに咀嚼に時間がかかろうと、どんなに嚥下が遅くても待ちました。だってさ、自分がご飯食べてる時にさ、自分のペースでご飯食べたいじゃん。それは利用者さんも同じだと思うのです。美味しい物だったら、ゆっくり噛み締めて味わいたい。昔から良く噛んで食べていたなら、やっぱり今も同じにしたいはず。それを時間内に『ショクジ』を済ませたいからって矢継ぎ早に口に入れるのは介護者のエゴなのでは・・・。確かに時間の制限はあります。一日のスケジュールがあるなら尚の事時間に追われると思う。建て前は『利用者本意・自己実現』、でも実際は『ショクジ』と云う名の作業でしかないのでしょうか?←このクエスチョンマークは人生の先輩方に対してです。




僕は、自分自身の家族や友達が、もしも利用者だったら・・・そう考えて仕事をしています。自分の友達や家族が物を扱うような、作業の一環のような介護・支援を受ける姿を見たら、辛いと思います。




入浴・・・・・これは『個浴』のお陰かな。できれば利用者とゆっくりお話しでもしながら洗身・着脱したいな。(時間的余裕はもちろんだけど、精神的な余裕も欲しい)




服薬・・・・・口の中に入れて「以上終了!!」では無く、ちゃんと飲み込んだか確認したい。おまけに「苦〜い」とかコメントが聞けたらもっと嬉しいな。だってさ、そんなどうでも言いコト話し合えるって、微笑ましくない?これって凄く大事なコトだと思う。当たり前の事でも、言葉にして話し合えるコトって、今減ってるんじゃないかなぁ。家族でも利用者でも同じだと思う。心が寄り添えば、幸せ。





だ・け・ど、

それを理由に仕事の効率を下げるわけにはいかないのです。どうしたらいいんだろ。今思えば、高齢者福祉って理想が実現しやすかったんだなぁ・・・。



『理想と現実は違う』皆さんそうおっしゃいます。




僕は決して理想を追ってるわけじゃないんです。
ただ単純に、利用者さんの笑顔が見たいだけなんです。
本当に、ただ、それだけ。