終わり

 今日で、@での仕事が最後となりました。




本当にお別れを言いたかった利用者さんはみんな休み・・・それでも僕は一人ひとりにお別れを告げました。




「僕ね、転勤になったの」「今日でお別れなの」




皆がみんな「あんだや!!」ってたまげてました。









僕が@で働き始めた時、一人の認知症の方に出会いました。その人と初めて目が合ったときに「何かしなきゃ」って気持ちになったのでとりあえずにっこりと笑ってみたら、その人も「ニッコリ」笑ってくれました。これが本当の笑顔なんだって思ったので、会う度に笑いかけ、その人の笑顔を見ることが好きになりました。来る日も来る日も、僕は笑顔を送り続けました。ある日、その人は壁にある写経をじっと見ていたので「習字好きなの?」と聞いてみたら「昔先生をやってたの」と話してくれました。そして今日・・・・・




何かこの人の心を動かしてあげたいなと思ったので、筆ペンで一筆書いてみました。でも、いざ考えてみると言葉は何も浮かばず、困ってしまいました。とりあえずその人の名前を書いた時、筆がひとりでに動き出しました。



『○○さんに会えて     ありがとう』




たったこれだけの言葉を書いて、僕の手は、終わりの点を打ちました。自然に、勝手に、心が感じた言葉はそれでした。




その人が「きれいな字だね。40年も先生をやっていた私が言うんだから間違いない。自分の字に自信を持ちなさい。」と、普段無口なその人が何度も何度も半紙に書いた僕の字を見て喜んでいました。




周りの人も、私にも書いてくれとせがんできたのでサイン会に(自分で言うなよ!)




ある人は、じっとその文字を見て、右手を出してきました。握手です。ぎゅっと力のこもった、温かい、優しい握手でした。














僕は以前「人の笑顔が好きなんだ」、そうここのblogに記しました。




本当にそう思います。




眩しいくらいの、子ども達の、利用者さんの笑顔が、大好きです。




嫌になることも、辛くなることもあります。




だけど、それもこれも含めて全部が大好きです。




たった5ヶ月でもらった数え切れないくらいの「ありがとう」。




僕の信念は今も昔も変りません。




「ありがとうって、言ってくれて、ありがとう」。









Fさんへ
沢山バカなことしましたね。今日は少し調子に乗りすぎて構いすぎちゃったでしょうか(苦笑)僕は貴方の事が大好きでした。アホみたいに「キャーキャー」悲鳴上げてるところも、真剣に物事を考えてるところも全部です。一緒に仕事ができてこんなに楽しかったのは、全部Fさんのおかげです。ありがとう。
腰、お大事に。



Oさんへ
最初は怖い人かなって思ってました。だけど、本当はとっても面白くて、茶目っ気のある人なんだなって、3日目くらいで気がつきました。いつだったか、利用者さんに対して深々とお辞儀をして、丁寧に挨拶をしているのを見て「仕事をする人の人との接し方」と云うのを学ばせていただきました。T君を見つめてるOさんの優しい笑顔の眼差し、菩薩様のようだなって、かなりマジメに思いました。Oさんから学ばせていただいたこと、まだまだ沢山あります。
僕の@での先生、ありがとう。




Sさんへ
送迎の度に色々と語り合いましたね。そして今日も。久しぶりのケンタ美味しかったです。今日は僕が色々話しすぎてしまいましたが、次に一緒にケンタに行く時はSさんの「福祉ってなんだろう」聞かせて下さい。一生懸命(一つ生きるのに命を懸ける)、とても大変な事ですが、やりきった時、物事の心理が見えてきます。
Sさんの利用者への声かけ、僕は大好きでした。笑顔で、優しいきれいな声で、フワっとした感じで。Sさんが声かけをした利用者さんの笑顔、他の人が声をかけた時とは違うって、気がついてましたか?これからもその素敵な笑顔を大切に。









たった5ヶ月だけど、@で関わってきてくれた全ての人々へ。




ありがとう。




また生き逢いましょう。