エイドリアァン!!!

 タイトルから分かるとおり、映画を観てきました。

ロッキー・ザ・ファイナル

ロッキー・ザ・ファイナル




以前にも紹介しました

Never give up.(自分を諦めない)

何かの物事に対してではない。それを成し遂げる自分自身に。自分を信じてくれる愛する人のために、自分を諦めない。




 昨日は武士道・武道について話しましたね。僕なりの解釈ですが、補足を交えながら今日の感想とします。




 武道家の心を表した『仁は人の心なり。義は人の路なり。』と云うものがあります。この義侠心と云うのは、弱いものを助けてやり悪に立ち向かう心の事をいいます。この他に、中国では『厳と勇』(自分を厳しく律し、勇気を持つこと)を付け加えたり、日本では『押忍』という言葉で表される事がある耐えて忍ぶを加えて、人としての生き方・在り方として武道家の心構えとしています。何でまたこんな話しをしているのかというと、実は、僕の目にはロッキーがそう見えてしまったんです。




 物語の冒頭でロッキーはエイドリアンのお墓参りをしています。従兄弟のポーリーと二人で。愛するあの人がいなくなってしまってから、寂しい毎日が続いていた。ボクシングからも離れて、今は小さなレストランを経営して過ごしています。エイドリアンの命日にロッキーは思い出の場所を巡ります。二人が出逢ったペットショップ。冗談を言って口説こうと何度も挑戦した、心踊る場所。ミッキーや他のトレーナーと汗を流したジム、今では看板が汚れてしまっています。二人で暮らしたお家、玄関先で彼女は自信なさげに笑っていました。初めてデートしたスケート場、十分10ドルで貸しきって彼女に夢を語った思い出の場所はもう、取り壊されていました。そんな折、昔の行きつけのバーに寄ると、30年前に説教をした女の子が、ウェイトレスとなって働いていました。二人はお互いを思い出し、仲良くなります。

 エイドリアンがいなくなって、心の中にぽっかりと穴が開いてしまったロッキー。彼女の事を思う度、彼の心は熱くなります。そんな思いをポーリーに打ち明け、彼はプロとして再起することを決意します。

 還暦を過ぎていて、普通ならもう諦めてしまうかもしれない。だけど、頑張っている息子にもう一度夢を見させてやりたい。亡くなってしまったエイドリアンにもう一度自分の思いを届け過去に別れを告げたい。そして、最後まで戦い抜きたい。




 物語の中で、最初から最後まで懐かしい場面が沢山出てきます。そして、昔懐かしい表現やシリーズを見ている人なら必ずうなずけるあの人やこの人も。ラストは感動でした。昔と同じ。勝つことではなく、戦い抜くことが、自分自身がやり切った証明。




 僕の先生がおっしゃっていました。『勝つことよりも、負けないことのほうが大切』だと。自分と向き合い、常に自分に負けない。人を倒してどうのこうのではなく、自分自身だけではなく大切な誰かの・何かのために戦うことが武道を志すものにとって最も大切なのでは、と僕は思います。ロッキーはそのままでした。自分自身のためだけではなく、家族の、仲間のために戦いました。困っている人がいると、あの優しい笑顔で冗談を言ってくれる、温かい人です。何度もピンチになって、その度に支えあってきた二人に、オメデトウ。
 


ここからは読み流して下さい。















 今日この映画を観て、ふと思いました。僕とロッキー、似ているなって。
僕は学生時代、がむしゃらになってボランティアに勤しんでいました。子ども達が大好きで、職員や保護者の方々に恩返しがしたくて、一生懸命でした。サークルに入って恋もしました。一方的なもので、あの人には大変な迷惑をかけてしまって、今では申し訳ない限りです。僕に生き方やボランティアとしての在り方を教えてくれたその人は、僕にとってかけがえの無い存在でした。ロッキーがエイドリアンを愛するように、僕もその人を尊敬していました。結局フラレてしまいましたが、それで自暴自棄になってしまっている僕をあの人は見捨てたりしませんでした。卒業するその日まで、ボランティアのことやサークルの事で相談や報告をしていましたが、社会人になってからはもう何の連絡もとっていません。フラレてしまって、自分の中でちゃんと整理はついているのですが・・・・・。地元に戻ってしまってからもう二度と会えないような不安に駆られ、心が落ち着きません。



 最近夢をよく見ます。子どもたちや、あの人との夢です。過去の思い出にふけっている時が一番幸せです。ボランティアももう卒業してしまい、自分の立場も何のそのでやってきたのでもう戻ることはできません。後輩達のためにも、僕の存在はあってはならないものなのです。
 あの人との決別は、もう自分でもちゃんとしたはずなのに、何処かでやはりあの人の影が見えてしまいます。お別れして、卒業して、何の接点も無い今、僕には話すことも伝えることもありません。時間が過ぎて、記憶の中から早く消えてくれることを願うばかりです。
 でも、ロッキーのように、もう一度自分の夢や目標を見つけて挑戦することが必要かもしれません。誰かとの決別ではなく、自分自身の過去との決別・・・難しいですが、やってみようと思います。