思い出
僕のバイト先は様々な人がやってくる。刺青を見せてくるヤクザさん。4〜5才でお遣いに来る子供。特養の職員さん、車椅子のおじいちゃん、いつも酔っ払ってるおっちゃん、日本語ぺらぺらなブラジルのおばちゃん、、挙動不審過ぎて店員全員に目をつけられてる変な人など等・・・見ていて飽きない。今日来たお客さんで一番印象に残っているのは、「椿油」を探しに来た老夫婦。
おばあちゃん「油はないですか??」
僕 「?????」
おじいちゃん「最近の人じゃ分からないかなぁ。頭につけるやつなんだ。」
おばあちゃん「髪が綺麗になるんですよ」
僕 「あぁ!」
そりゃそうだ。このご時世、リンスやヘアパックが主流になっちゃって、昔ながらの「椿油」なんて皆知らないよ。僕のおばあちゃんが「椿油シャンプー」愛好者で良かった。
おばあちゃん「このお店は大きすぎて私等には探しきれないやね。どうもありがとう。」
ご夫婦揃って深深とお辞儀をしてくれた。僕もつられてペコリ。プンプン怒ってレジに来る人もいれば、「お願いします」と「ありがとう」を忘れないお客さんもいる。 このご夫婦の何が心に残っているか・・・・・二人が寄り添う姿。体が密着してるとかそういう意味合いじゃなくて、心が。とても優しい『気』が見えた。