システマ




ロシアで生まれた武術『システマ』。
武術と云う呼び方が正しいのかどうかは分からない。どうやら日本や中国、タイやフィリピンの様に型があるわけではなく、体や心の使い方が中心になる様だ。
動きだけ見ているとクネクネとしていて捉えどころのない不思議な動き。知らない人が見ればこんなんで人が倒せるのかどうか思うはずである。相手の動きに逆らわず流れに乗り、衝撃を加える様は、まさに合気道太極拳のそれである。もちろん空手や柔道にも同様の原理や動きがあるだろうけども、それ等とは根本的に異なり、動きが連綿と続き『死に体』の状態にあっても終わらない。
当身や打撃の部分だけ見ても、肩や肘を張らない、何ともしなやかな動き。まるで舞踊の様である。




自分も少林寺拳法を始めて10年になるが、何かが起きた時にこの様に平常心で動き続ける事ができるだろうか・・・。




『ある武術・武道の良さは他のそれとの比較によって決まる』とは故・西尾昭二先生の言葉。いたずらに競い合うのでは無く、相手を認め、切磋琢磨する事が必要な時代ではないだろうか。自分は自分、人は人、この時代もそろそろ終わりな様な気がする。僕はシステマのこの動画を見て、その様な危機感や恐怖感の様な物を感じた。